活動内容

設立趣旨

全国大学国語国文学会は、各大学における国語国文学に関する研究の促進と、各大学における国語国文学会相互の連絡をはかることを目的として、昭和31(1956)年1月15日に設立されました。

現在の会員数は、約900人です。

国語学、国文学、国語教育、日本の言語文化の教育・研究に関心を持ち、全国大学国語国文学会の趣旨に賛同される方は、どなたでも会員になることができます。

学会設立の趣旨

この学会の設立の趣旨は、第1回大会に先だって昭和31年5月に発行された「会報」に載った趣意書にある通り、戦前とは比較にならぬほど増えた大学が、それぞれ国語国文学会を作って紀要・雑誌等を発行してその教員・卒業生・学生らの研究活動の推進をはかっているが、それら個別的な学術情報を共同のものとして、各大学が「学校教育法」にいう「学術の中心」としての実をあげるのに益したい、そのための連絡機関を作りたいということが中心にあった。それが会則第二条の「本会は、各大学における国語国文学に関する研究の促進と、各大学における国語国文学会相互の連絡をはかることを目的とする」という文言にまとめられた。

こういう発想は、新制大学側から出て来たのである。先進的な立場に立つものから後進者の面倒を見てやろうという誘いかけではなく、新たに「学術の中心」として発足した者の自覚と責任とをもとにした連帯の呼びかけであった。旧制系大学側も、それに虚心に共感を示したということである。この学会名に、あえて「全国大学」を冠するゆえんはそこにある。

太田善麿氏「本学会草創期の回顧」より
(『文学・語学』第100号、昭和58(1983)年12月)

活動内容

全国大学国語国文学会は設立の趣旨に基づいて、現在以下の事業を行っています。

(1)夏季・冬季の年2回の大会(公開シンポジウム・研究発表会・文学実地踏査など)の開催〔原則として夏季大会は6月第1土・日・月曜日、冬季大会は12月第1土・日・月曜日〕

  • 公開シンポジウム(第1日:土曜日午後)では、国語国文学に関する重要なテーマについて、全国大学国語国文学会内外の研究者・文学者らが、これまで蓄積してきた研究成果を披露し、議論を交わします。
  • 研究発表会(第2日:日曜日)では、全国の国語学、国文学、国語教育、日本の言語文化に関する研究者が集い、複数の会場で、最新の研究成果を発表します。第2日には、若手・中堅の研究者によるシンポジウムが開催されることもあります。
  • 夏季大会の第2日には、総会が開催され、また全国大学国語国文学会の設ける賞の授賞式が行われます。
  • 文学実地踏査(第3日:月曜日)には、開催地周辺の、文学に関わる実地踏査を行います。
  • 大会開催期間に、貴重な資料の展示が行われることもあります。

(2)年3回の機関誌『文学・語学』の発行〔4月、8月、12月〕

  • 『文学・語学』は国語国文学に関わる、すべての分野にわたる総合研究誌です。
  • 前々年の国語国文学界の研究状況を伝える特集や、2回の大会の公開シンポジウムの成果を誌上で報告する特集を組んでいます。
  • 3号ともに、厳正な審査を経た、会員の投稿論文を掲載しています。また掲載された若手会員の優れた論文に授与する「文学・語学」賞の選考を行っています。

(3)学会賞の授与

①全国大学国語国文学会賞

  • 前々年度10月から当年度9月までに公表された、国語国文学を中心とする、若手研究者の優れた研究業績に対して贈られます。

②文学・語学賞

  • 前年度発行の機関誌『文学・語学』に掲載された、会員の優れた論文に対して贈られます。

③研究発表奨励賞

  • 夏季大会・冬季大会それぞれの、若手会員(大学院在籍者など)の優れた研究発表に対して贈られます。

(4)その他に必要と認められる事業

  • 平成17(2005)年、18(2006)年には、創立50周年記念事業を行いました。